私たちはなぜ自分でCMSを作ったのか — VosCMSのお話
これまでの三編でWordPressのセキュリティについて書いてまいりました。コアの認証不要リモートコード実行、守るために入れたプラグインが先に破られるという皮肉、そして修正版が出ても23%が30日を超えて放置されるという数字まで。
お読みいただいた方に残る問いは一つかと存じます。「では、どうすればよいのか。」
この記事は、その問いに対する弊社なりの答えでございます。ただ「これをお使いください」という話ではなく、なぜこのような造りを選んだのかという説明としてお読みいただければ幸いです。
1. はじまりは不便さでした
THEVOSは長年、お客様のホームページを制作し運用してまいりました。その中で、毎年同じことが繰り返されました。
- プラグインの更新通知が出ても、押してよいのか分かりません
- 押したら他のプラグインと衝突して画面が崩れます
- お客様から「サイトがおかしい」とご連絡をいただきます。夜間に自動更新されていたのでした
- あるプラグインは開発が止まっております。修正版を待つ先がございません
サイト一つに十数個のプラグインが入り、その十数個をそれぞれ別の会社が作っております。品質も、修正の速さも、保守を続けるかどうかも、弊社には決められませんでした。
そこで、作り始めました。
2. このような造りにいたしました
機能を外から足すのではなく、コアの中に自社モジュールとして作る。
VosCMSにもプラグインという考え方はございます。予約、掲示板、決済、会員、ブログ — すべてプラグインの形でございます。違うのは、それらがすべて同じコアの上で弊社が作ったモジュールであるという点でございます。
そのため、こうなります。
- 更新する場所が一つでございます。 十数の開発チームのリリースを追いかけません
- 直すべきときはその場で直します。 他社の修正版を待ちません
- モジュール同士が衝突いたしません。 同じ設計の上にあるためでございます
もちろん代償もございます。世の中のあらゆる機能がすでに用意されているWordPressのプラグイン生態系のようなものはございません。必要な機能は弊社が作らなければなりません。 その代わり、作ったものについては最後まで弊社が責任を持ちます。
3. オープンソースとして公開しております
VosCMSはオープンソースとして無償で配布しております。ダウンロードしてご自身で導入いただけますし、コードをお読みいただくことも、必要に応じてお直しいただくこともできます。
暗号化されておりますのはライセンス管理に関わる中核の部分のみでございます。それ以外のコアとモジュールは開かれております。
なぜ公開するのかと申しますと — 道具が閉じていると、お客様が閉じ込められてしまうからでございます。作った会社がなくなっても、契約が終わっても、サイトは残らねばなりません。弊社が「最後まで責任を持つ」と申し上げるのであれば、弊社がいなくても成り立つ状態を一緒に整えておくべきだと考えております。
データも、ソースも、ドメインの名義も、すべてお客様のものでございます。
4. コードなしでページを作ります
VosCMSではページをウィジェットを積んで作ります。レゴのブロックのように必要なものを選び、順に並べればページになります。HTMLをご存じなくても構いません。
デザインはスキンを替えれば、サイト全体の印象が一度に変わります。季節に合わせて替えていらっしゃるところも、キャンペーンの期間だけ替えていらっしゃるところもございます。
機能はプラグインを有効にすれば増えます。予約が必要なら予約を、会員制が必要なら会員を有効にする、という具合でございます。使わない機能は止めておけば結構でございます。
5. 13カ国語は翻訳機能ではございません
VosCMSは日本語・韓国語・英語・中国語(簡体/繁体)・ドイツ語・スペイン語・フランス語・インドネシア語・モンゴル語・ロシア語・トルコ語・ベトナム語の13言語に対応しております。
大切なのは自動翻訳ではないという点でございます。画面の文言も、管理画面も、それぞれの言語で正式に翻訳されております。英語を使い回してはおりません。
いまお読みのこのブログが、その例でございます。 画面上部で言語をお切り替えいただきますと、同じ記事が別の言語で表示されます。別のサイトを作ったのではなく、一つの記事に言語ごとの内容が付いている造りでございます。
6. 複数のサイトを一つのコアで
店舗が複数ある場合や、ブランドをいくつも運営していらっしゃる場合、通常はサイトを何式も作ることになります。すると更新も何式、管理も何式になってまいります。
VosCMSは一つのコアと一つのデータベースで複数のサイトを運用いたします。サイトごとにドメインもデザインも異なりますが、更新は一度でございます。データは内部でサイトごとに分離されます。
7. 日本で商いをするためのもの
THEVOSは福岡の会社でございます。ですので、はじめから日本の商習慣に合わせて作っております。
- PAY.jp決済 — 日本の決済サービスによるカード決済・定期課金・返金まで
- 営業書類 — 見積書・納品書・請求書・領収書
- PWA — サイトをスマートフォンのホーム画面にアプリのように設置。アプリストアへのご登録も、アプリ開発の費用もかかりません
8. 業種別ソリューション — RezlyX DX
VosCMSの上で動く、業種に特化したソリューションでございます。ご予約が事業の中心となる業種のためのものでございます。
- Salon DX — 美容室・ネイル。指名予約、施術管理、顧客カルテ
- Restaurant DX — 飲食店・カフェ。テーブル予約、順番待ち、メニュー管理
- Hotel DX — ホテル・ペンション。客室予約、チェックイン/アウト
- GYM DX — フィットネス・ヨガ。クラス予約、会員権管理、出席
- Dental DX — 歯科。WEB予約・WEB問診・院内チェアボード・リコール
9. そして — VosCMSが向かない場合
正直に記しておきます。次のような場合は、あえてお変えになる必要はございません。
- すでにWordPressでうまく回っており、見てくださるご担当者がいらっしゃる場合。 きちんと運用されているのなら、それが正解でございます
- 特定のWordPressプラグインに業務が深く結びついている場合。 同じものを作り直す費用が、利点を上回ることがございます
- 社内にWordPressを深く扱える開発チームがすでにいらっしゃる場合。 慣れた道具をお替えになる費用が、利点を上回ることがございます
- 情報量と人材の層が最優先の場合。 世界シェア1位の資料の多さは、WordPressに分がございます
弊社がVosCMSを作ったのは、WordPressが良くないからではございません。 お預かりしたお客様のサイトを、弊社が最後まで責任を持てる形にしたかったからでございます。
10. 結局、同じ話でございます
これまでの三編の結びは「誰が見続けるのか」でございました。この記事の結びも同じでございます。
道具が何であれ、サイトは作ったあとのほうが長うございます。弊社がCMSを自分で作ったことも、ホームページをお作りしたあと1年間は無償で保守をお引き受けしていることも、結局は同じ理由から出た選択でございます。
VosCMSを実際にお触りになりたい場合は、デモをご用意しております。どのようなサイトをお望みか、お聞かせいただけましたら、合う構成かどうかから一緒に見てまいります。

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